諸願書扣帳

提供:桜江古文書を現代に活かす会
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目録番号:箱1-20

担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ


文書画像・釈文・書下し文

1枚目(全14枚の内)

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 明和六年丑ゟ

諸願書控帳

2枚目(全14枚の内)

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  乍恐書付を以奉願上候
一私共鉄山稼仕候ニ付大勢之者共年中夫食手
 当として買請米奉願是迄御引付之通買
 請被仰付家業相続仕難有奉存候然ル所
 去丑年奉願御買請米之儀御引付之
 御直段ニてハ難被仰付候而直段糴増石数之
 儀も減少可仕旨再応御呼出被仰渡候得共
 石数之儀者年中入用程積立石数相願候

 

    恐れながら書き付けを以て願い上げ奉りそうろう
一私共鉄山稼ぎ仕りしそうろうに付き、大勢の者共年中夫食手
 当として、買請米願い奉り、これ迄御引き付けの通り、買
 請け仰せ付けられ、家業相続ありがたく存じ奉りそうろう、然る所、
 去る丑年、願い奉る御買請米の儀、御引き付けの
 御直段にては仰せつけられがたくそうろうて、直段糶り増し石数の
 儀も減少仕るべき旨再応お呼び出し仰せ渡されそうらえども、
 石数の儀は年中入用程積み立て石数あい願いそうろう

3枚目(全14枚の内)

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ニ付減少仕候而ハ甚召抱候人数相減稼所も
相減候ゟ外無御坐候所当年俄ニケ所相減
人数減少仕候儀も難仕御直段糴(糶ヵ)増
御請仕候儀も前々御引付之御直段ニて可被
仰付儀と相心得大勢抱置鉄山稼仕罷在候所
御糴(糶ヵ)増被仰付候而ハ是又覚違ニ罷成行積リ
鉄山稼相続難仕迷惑至極仕間御糴(糶ヵ)増
御免被成下候御引付之通浜田松江去丑十月十五日ゟ
同晦日迄日々上米平均直段買請被仰付
石数之儀も先達而御願申上候通被成下候様幾
重ニも奉願候再応御吟味之趣御断奉申上候
段恐入奉存候へども鉄山師共家業相続
難相成極難之義ニ御坐候故恐ヲも不顧
御歎申上候御聞済被成下前々之通被仰付
被下置候ハバ一統難有奉存候以上
明和七年寅閏六月
          鈩師拾弐人連判
 川崎市之進様銀山方御役所
に付き、減少仕りそうろうては甚だ召し抱えそうろう人数相減じ、
稼ぎ所も相減じそうろうより外御坐無くそうろう所、
当年俄にケ所相減じ、人数減少仕りそうろう儀も仕り難く、御直段
糶り増し御請けそうろう儀も、前々御引き付けの御直段にて仰せ付けらる
べき儀とあい心得、大勢抱え置き、鉄山稼ぎ仕り罷り在りそうろう所、
御糶り増し仰せ付けられそうろうては、これ又覚え違いに罷り成り、行き
積もり鉄山稼ぎ相続仕り難く、迷惑至極仕る間、御糶り増し御免し
成し下されそうろう。
御引き付けの通り、濱田松江去る十月十五日より
同晦日まで、日々上米平均直段買い請け仰せ付けられ
石数の儀も先達てお願い申し上げそうろう通り成し下されそうろうよう幾
重にも願い奉りそうろう。再応御吟味の趣お断り申上げ奉りそうろう
段、恐れ入り存じ奉りそうらへども、鉄山師共家業相続
相成り難く、極難の義に御座そうろうゆえ、恐れをも顧みず
お歎き申し上げそうろう。お聞き済み成し下され、前々の通り仰せ付けられ
下し置かれそうらわば、一統有り難く存じ奉りそうろう。以上。
明和七年寅閏六月
           鈩師拾弐人連判
 川崎市之進様銀山方御役所

4枚目(全14枚の内)

Img 048.jpg

     差上申口書之事
一、私共鉄山稼仕候ニ付前々ゟ御買請米被仰付候ニ付去
  丑年之義も奉願候処御直段之義御引付之通
  二て難被仰付候間糴増仕候様石数之義も相減候様
  当春御吟味御座候得共前々之通被仰付被下候様
  達而御歎申上候所猶又此度被仰聞候者松江浜田
  上米平均直段ニ五匁高を以買請石数減少不仕
  旨被仰渡候処両様共ニ御免被成下候様達而御願
   申上候ニ付御察斗被成候者私共願通石数被仰
   付御直段之儀も前々御引付之通是迄被成下候
   得共此度再応御吟味之上ハ何分糴増御請
   可仕所強而御断申上候段如何之訳ニ候哉御答可
   申上候旨御吟味ニ御座候
   此段私共鉄山稼之義ハ所々手広仕候家業
   ニ而莫大人数抱置鉄山一式家業仕候ニ付
   年中飯米年内ニ心当仕置候ニ御坐候処少分
   之儀ニ無御座候得ハ石州地米所々ニて調候儀ハ
     差し上げ申す口書の事
一、私共鉄山稼ぎ仕りそうろうに付き、前々より御買請米仰せ付けられそうろうに付、去る
  丑年の義も願い奉りそうろう所、御直段の義御引付の通り
  ニて仰せ付けられ難くそうろう間、糴増仕りそうろう様、石数の義も相減じそうろう様
  当春御吟味御座そうらえども、前々の通り仰せ付けられ下されそうろう様
  達て御歎き申上げそうろう所、猶又、此の度仰せ聞けられそうろうは、松江浜田
  上米平均直段に五匁高を以て買い請け、石数減少仕まつらざる
  旨仰せ渡されそうろう所、両様共に御免し成し下されそうろう様、達て御願
   申し上げそうろうに付き、御察斗(当ヵ)成されそうろうは、私ども願い通り石数仰せ付けられ、
   御直段の儀も前々御引き付けの通りこれ迄成し下されそうら
   えども、この度再応吟味の上は、何分糶り増し御請け
   仕るべき所、強いてお断り申し上げそうろう段、いかがの訳にそうろうや。お答え
   申し上ぐべきそうろう旨御吟味に御座そうろう。
    此段、私ども鉄山稼ぎの義は所々手広に仕りそうろう家業
     にて、莫大の人数抱え置き鉄山一式家業仕りそうろうに付き、
     年中飯米年内に心当て仕り置きそうろうに御座そうろう処、少分
     の儀に御座無くそうらえば、石州地米所々にて調えそうろう儀は

5枚目(全14枚の内)

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難仕勿論御公納之外売買地米
払底成国柄ニて多分之石数難相調夫食
手当不足ニて大勢之人数抱置候儀難
成左候而ハ稼方差支難儀仕候ニ付買請
米奉願前々ゟ浜田松江御城下町其年
上米平均直段を以買請被仰付来り候
去丑年買請米之米之儀も鉄山稼一式
之人数ニ応シ石数相究買請米奉願
当寅年夫食心当仕置候へハ今更
石数減少仕候而ハ夫食差支行当リ必至と
難儀仕候間石数之義先達而奉願候通被
仰付被下候様達而御歎申上候儀ニ御座候且又
直段御糴増之儀御請仕度奉存候ヘ共
鉄山稼之儀鉄損シ等有之余程損失
相立候節も有之候ヘ共年中鉄払直段相
応御座候得ハ格別之儀も無御坐所近年
銑直段殊外引下ケ仕当ニ合兼候故
吹損シ等損失も有之鉄山師共一統ニ
仕り難く、勿論御公納の外売り買い地米
払底成る国柄にて多分の石数相調え難く、夫食
手当て不足にて大勢の人数抱え置きそうろう儀成り難く、
さそうらいては、稼ぎ方差し支え難儀仕りそうろうに付き買い請け
米願い奉り、前々より浜田・松江御城下町其の年
上米平均直段を以て買い請け仰せ付けられ来りそうろう。
去る丑年買い請け米の米の儀も、鉄山稼ぎ一式
の人数に応じ石数相究め買い請け米願い奉り、
当寅年夫食心当て仕り置きそうらへば、今更
石数減少仕りそうらいては、夫食差し支え行き当たり必至と
難儀仕りそうろう間、石数の義先達て願い奉りそうろう通り仰せ付けられ
下されそうろう様達て御歎き申し上げそうろう儀に御坐そうろう。且つ又、
直段御糴り増しの儀御請け仕りたく存じ奉りそうらえども、
鉄山稼ぎの儀鉄損じなどこれあり、余程損失
あい立ちそうろう節もこれありそうらへども、年中鉄払い直段相応
御坐そうらえば、格別の儀も御坐無き所、近年
銑直段殊の外引き下げ仕当てに合い兼ねそうろう故、
吹き損じなど損失もこれあり、鉄山師ども一統に

6枚目(全14枚の内)

Img 000.jpg

  難儀仕鉄山稼相続無覚束候得共此以後
  銑直段引上ヶ候様相成候ハヽ取続可申と奉存候故
  去冬買請願候節も人別減不申是迄
  之通相稼候積を以御願申上候相替儀無御坐
  家業仕罷有候所今以銑直段不宜難儀
  仕候是迄月々上納仕候買請米代銀両
  城下平均御直段之積ニてさへ漸〱上納仕候
  体ニ御坐候間此上御直段相増候てハ御上納
  皆済も差支え家業も仕当ニ
  追々稼方相減候様罷成難儀
  至極仕候ニ付御糴増之義も御免被成下
  候様強而御歎申上候儀ニ御座候
 一前條之通申上候所猶又被仰聞候ハ此度御
  吟味之儀買請米一切難被仰付と申ニ而ハ
  無之直段糴増候様御吟味ニ御座候尤石数
  之儀も減少可成𠀋ハ相減候様ニとの儀に御坐候
  所石数減少仕候儀不相成直段糴増之義
  御請難仕段申之両様共ニ御断申上候而ハ
  難儀仕り鉄山稼ぎ相続覚束なくそうらえども、此れ以後、
  銑直段引き上げそうろう様、相成りそうらわば取続き申すべきと存じ奉りそうろう故、
  去る冬買請願そうろう節も人別相減じ申さず、これ迄
  の通り相稼ぎそうろう積を以てお願い申し上げそうろう。相替る儀御坐無く
  家業仕り罷り有りそうろう所、今以て銑直段宜しからず難儀
  仕りそうろう。これ迄月々上納仕りそうろう買請米代銀両
  城下平均御直段の積りにてさへ、ようよう上納仕りそうろう。
  体に御坐そうろう間、此の上御直段相増しそうらいては御上納
  皆済も差し支え、家業も仕当てに
  追々稼ぎ方相減じそうろう様、罷り成り難儀
  至極仕りそうろうに付き、御糴り増しの義も御免し成し下され
  そうろう様、強いて御歎き申し上げそうろう儀に御座そうろう、
一、前條の通り申し上げそうろう所、猶又仰せ聞けられそうろうは、此度
  御吟味の儀買請米一切仰せ付けられ難くと申すにては
  これ無く、直段糴り増しそうろう様、御吟味に御座そうろう、
  尤石数の儀も減少なるべきだけは相減そうろう様にとの儀に
  御坐そうろう所、石数減少仕りそうろう儀相成らず直段糴り増しの義
  御請け仕り難き段これを申し、両様共に御断り申し上げそうろうては

7枚目(全14枚の内)

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御吟味趣一向御違背仕候様ニ共罷成候得者
買請米一向難被仰付段被仰渡候而も御願
之筋有之間布旨御吟味ニ御座候此段石数
減少仕候儀も難相成御直段糴増之儀も御請
難仕候両様共ニ御断奉申上候御吟味之趣一向ニ
御違背仕候様思召候段私共一統奉恐入候如何様
ニも御請仕度奉存候へ共私共家業相続難
相成筋ニ罷成必至と難儀
御吟味の趣一向御違背仕りそうろう様にとも罷り成りそうらえば、
買請米一向仰せ付けられ難き段仰せ渡されそうらいても、御願い
の筋これ有るまじき」旨御吟味に御座そうろう。この段、石数
減少仕りそうろう儀も、あい成り難く、御直段糴増の儀も御請け
仕り難くそうろう、両様ともに御断り申し上げ奉りそうろう、御吟味の趣一向ニ
御違背仕りそうろう様思し召しそうろう段、私ども一統恐れ入り奉りそうろう、いかよう
にも御請け仕りたく存じ奉りそうらえども、私ども家業相続
あい成り難き筋に罷り成り、必至と難儀

8枚目(全14枚の内)

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9枚目(全14枚の内)

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10枚目(全14枚の内)

Img 053.jpg

11枚目(全14枚の内)

Img 054.jpg

    

12枚目(全14枚の内)

Img 055.jpg

13枚目(全14枚の内)

Img 056.jpg

    

14枚目(全14枚の内)

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14枚目(全14枚の内)

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14枚目(全14枚の内)

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現代語訳

恐れながら文書をもちましてお願いを申しあげます
一 私どもは製鉄を経営している関係で、大勢の者たちに一年の食糧を手
当として与えるために、買請米をお願いしております。これまでは、御公布の通りに買い
請けをご命じになり、家業の相続ができ、ありがたく思っています。しかしながら、
去年の丑年に願いました買請米の御公布の
御値段では命じがたいとのことで、値段のせり上げ石数
も減少するとのご趣旨を再び呼び出され、言い渡されました。
石数は一年に必要なだけを算し願っていますので、
それが減少することとなれば、召し抱えております人数を減らし、
稼ぎ所も減らすしかございません。
今年、突然その鈩の場所を減らし、人数を減少いたしますことは難しいです。
また、お値段のせり上げをお引き受けすることについても、以前お引き受けしたお値段でご命じになる と心得て、
大勢を抱え置き製鉄を経営してしまっております。
御せり上げをご命じになってしまうと、これまた見込み違いになってしまい、
製鉄を元々のとおりに継続することが難しくなり、大変困りますので、御せり上げはどうぞお許しください。
事前の御引き付けの通り、濱田松江での去る丑年十月十五日より、

お示しされた通り、明和六年丑年の十月十五日から晦日までの松江と浜田の相場における上米の平均価格で買い受けするように命じられ、
石数についても以前お願いし申し上げた通りにして下さるよう、何度もお願いしております。
再度御吟味していただいたことをお断りするのは恐れ入りますが、鉄山師が家業を相続できなくなり、
大変に困ってしまうので、恐れをかえりみず、お願い申し上げたことをお聞き届け下さり、
前々之通り仰せ付け下さるならば一同有り難く存じます。
 明和七年寅閏六月
           鈩師拾弐人連判
 川崎市之進様銀山方御役所
一、私達製鉄を経営している者に、以前から御買請米を仰せ付けられていましたので、
昨年丑年にもお願いしましたところ、御示しの値段では命じがたいので、
値段をせり上げ、石数も減少する様にとご指示がございました。しかし、前々の通り仰せつけられますよう、強いて嘆願しました。
それでもなお、このたび仰っしゃられたのは、松江浜田の米平均値段より五匁高く買うこと、
但し、払い下げる米の石数の減少はしないということでございました。
しかし、やはり二つとも困ります。お受けできませんと達てお願い
お受けできませんと、つよくお願い申し上げておりました。
そうしましたところ、お問い詰められましたのは、
「これまでは私達のお願い通りに石数をお命じになり、お値段も、事前の公示通りにこれまでは対応してきたけれども、
今回は再びお諮りになられたということであるので、いくらか価格の引き上げをお請けすべきであるにもかかわらず、
強いて断わるというのはどういう訳なのか」、というご趣旨でございました。
 このことについてですが、私達の製鉄経営は、あちこちで手広に行っている家業で、
莫大な人数を抱え置いて、製鉄に関わる一連の仕事をしています。
そのため、一年分の米は年内に手配しております。
少しの量ではございませんので、地元の米をあちこちで調達するには難しく、
もちろん年貢米の外に売り買いしている地元産の米が無くなりがちな土地柄なので
、多くの米を調達するのは難しく、食糧の手当が不足して大勢の人数を抱えることが難しくなってしまいます。
経営に支障が生じ困難なことになってしまいますので、買い請け米をお願いしております。
この買い請け米以前から浜田松江の御城下町のその年の相場における上米の平均値段でご購入することを命じられております。
昨年丑年の買い請け米としての米についても、一連の鉄山稼ぎの人数に応じて石数も決めて買い請け米を願っております。
寅年の食糧のあてにしていますので、今更石数を減らされては食糧に支障が生じ、
これからのめどが必ず困難になってしまいますので、
石数のことは先日お願いしました通りご命じくださいますように強いて嘆願いたします。
さらにまた値段の引き上げについては、お引き受けしたいところですけれども、
製鉄では鉄が上手くできないことなどがありまして、かなりの損失が起きることもあります。
それでも一年の鉄の売り払い値段がつり合っておりましたら、これといった問題はないのですが、
近年、銑の値段がとても引き下がり、採算を合わせるのが難しく、
吹き損じなどの損失もあって、鉄山師共は皆困っております。製鉄の経営は厳しい
状況ですけれども、今後、銑値段が上昇するようになれば、経営を存続していくことが
できますので、去年の冬に買い請け願いを出しました時も、鉄山で働く人々を減らさず、
これまでのように、経営を続けていくつもりでお願い申し上げておりました。
これまでと変わらず家業を存続していましたところ、いまだに銑の値段がよろしくなくて、困っております。
これまで月賦割りで上納しておりました買請米の代銀も両城下平均お値段を基準にした額でさえなんとかやっと上納している有様でございます。
この上、お値段をお引上げになられては上納を皆済するのにも差支え、家業も追々稼ぎも減少していくようになり
大変でございますので値段の競り上げで免除くださるよう、しいて嘆願申し上げるのでございます。
一、ここまでこのようにに申し上げました所、それでもなおお聞かせになったのは、
今回の御吟味というのは、買請米すべてを売らないというわけではなく、買請米の値段をせり上げるとのことである。
また、石数についても減少可能な分だけは減らすようにとのことであるにもかかわらず、
石数を減らすことだけでなく、値段のせり上げることについてもお受けするのは難しいなどと申し上げ、
どちらについても断るということになれば、
要請の内容をすべて背くことになってしまうので、
買請米をすべて停止してしまうとういうことになっても願い出る筋合はなくなってしまうぞ」と問い詰められました。
このことについてですが、米の量を減らすことも、値段を上げることも承服しがたいです。
両方ともお断りしましたが、趣旨に全くかなわないと思いになられたことについては、私たちも恐れ入っています。
なんとかしても御請けしたいのですが、家業の相続が難しくなってしまい、困ってしまうことは間違いないので

脚註


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