「大貫村村明細帳」の版間の差分

提供:桜江古文書を現代に活かす会
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一 猟師鉄炮壱挺     拝借人  徳右衛門
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一 地子免無御座候
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一 私領寺社領入会無御座候
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   寺社
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御年貢地        浜田領中野村長円寺末
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一 本尊阿弥陀如来       浄土真宗 法泉寺
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    但什物無御座候 
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御除地高三斗前
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一 本尊薬師如来    京都御室御所御末寺
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    但什物無御座候     真言宗  興盛寺
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御除地高五斗前
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一 蔵王権現      神主三原村ゟ兼帯
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    但宝物無御座候          湯浅加賀
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一 猟師鉄砲一挺  拝借人   徳右衛門
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   寺社
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御年貢地          浜田領中野村長円寺末
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一 本尊阿弥陀如来       浄土真宗 法泉寺
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    但し什物御座無くそうろう 
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御除け地高三斗前
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一 本尊薬師如来    京都御室御所御末寺
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    但し什物御座無くそうろう     真言宗  興盛寺
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御除地高五斗前
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一 蔵王権現      神主三原村より兼帯
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    但し宝物御座無くそうろう          湯浅加賀
  
 
      
 
      

2015年6月4日 (木) 02:36時点における版

目録番号:て15

担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ


文書画像と釈文・書下し文

1枚目(全14枚の内)

て15001.jpg

文政十三年 寅 七月
村差出明細書上帳 扣
     石州邑智郡 大貫村
    

2枚目(全14枚の内)

て15002.jpg

古田新田御検地請候年号不相知御検地帳無御座
当時名寄帳を以御年貢上仕来りニ御座候
私領寺社領入会無御座候   石州邑智郡
 一 村高弐百弐拾四石五斗弐合
 此反別五拾三町九反三畝弐拾弐歩
    此訳
古田新田御検地請けそうろう。年号あい知らず、御検地帳御座無く
当時名寄帳を以て御年貢上仕来りに御座そうろう。
私領寺社領入会無く御座そうろう。  石州邑智郡
 一 村高弐百弐拾四石五斗弐合
 この反別五拾三町九反三畝弐拾弐歩
    此訳

3枚目(全14枚の内)

て15003.jpg

田高四石八斗八升壱合
 此反別七反八畝弐拾七歩
畑高百四拾八石弐合
  此反別二拾六町三反五畝弐歩
   内                    前々川欠山崩
高拾七石九斗三升八合          石砂入押掘レ
                         去ル辰川欠可起  
 此反別弐町六反五畝廿三歩      返引高荒地引 
 
 残高百三拾石六升四合
  此反別弐拾三町六反九畝九歩
 畑高三拾九石六斗三升壱合        新畑
  此反別拾八町八反弐歩
                   中嶋分
 畑高弐拾四石壱斗六升八合        亥高入新畑
  此反別六町四畝六歩      
                   右同断
 畑高四斗四升              申高入新畑
 此反別壱反壱畝歩 
 田高四石八斗八升一合
  この反別七反八畝二十七歩
 畑高百四十八石二合
  この反別二十六町三反五畝二歩
    内                    前々川欠山崩
高十七石九斗三升八合          石砂入押掘れ
                         去る辰、川欠起こし  
 この反別二町六反五畝二十三歩    返すべき引高荒地引

残高百三十石六升四合
 この反別二十三町六反九畝九歩
畑高三十九石六斗三升一合        新畑
 この反別十八町八反二歩
                              中嶋分
畑高二十四石一斗六升八合        亥高入新畑
 この反別六町四畝六歩      
                              右同断
畑高四斗四升              申高入新畑
 この反別一反一畝歩       

4枚目(全14枚の内)

て15004.jpg

                             右同断
畑高壱石五斗六升壱合          戌高入新畑
   此反別三反九畝壱歩      
                  右同断
畑高五石八斗壱升九合          亥高入新畑
   此反別壱町四反五畝拾四歩
〆

5枚目(全14枚の内)

て15005.jpg

    

6枚目(全14枚の内)

て15006.jpg

一判銀弐拾五匁六分     鍛次屋運上

一判銀弐拾五匁六分     右同断

一判銀拾匁弐分四厘     紙漉運上

一判銀五匁壱分弐り     鉄炮運上 

一判銀四拾目        大工木挽水役

一御林山弐ヶ所
  此反別弐百七拾九町九反壱畝廿歩
    此訳
 字後畑山
  反別百九拾五町九反壱畝廿歩
 字杭ノ内山
  反別八拾四町歩
  〆
一判銀弐拾五匁六分     鍛次屋運上 

一判銀弐拾五匁六分     右同断

一判銀拾匁弐分四厘     紙漉き運上

一判銀五匁壱分弐り     鉄炮運上

一判銀四拾目        大工木挽き水役

一御林山弐ヶ所
  この反別弐百七拾九町九反壱畝廿歩
    この訳
 字後畑山
  反別百九拾五町九反壱畝廿歩
 字杭ノ内山
  反別八拾四町歩
  〆

7枚目(全14枚の内)

て15.jpg

一入会秣場山反別弐拾壱町壱反壱畝拾六歩
  此御山役判銀弐拾四匁三分  但五ヶ所

一百性持山反別九拾四町八反八畝拾九歩
  此御山役判銀百七匁壱分   但拾六ヶ所

一村内字郷川之儀川上ミ川下村川下も谷住郷村
 有之当村地内ニ而者幅凡百間程川路
  壱里余御座候

一 御廻米無御座候
一 御年貢米納之儀者不残置米御上納仕
  来り御座候畑方之儀者取米壱石ニ付判銀八匁上納仕来ニ御座候
          東ハ川下村木谷組    谷川境
一 村境      北者田窪村       山境
西者谷住郷村      山境
          南者          郷川境


一入会秣場山反別弐拾壱町壱反壱畝拾六歩
 この御山役判銀弐拾四匁三分  但し五ヶ所

一百性持山反別九拾四町八反八畝拾九歩
 この御山役判銀百七匁壱分   但し拾六ヶ所

一村内字郷川の儀川上み川下村川下も谷住郷村
これ有り、当村地内にては幅凡そ百間程川路
壱里余り御座そうろう。

一 御廻米御座無くそうろう
一 御年貢米納めの儀は残さず置き米御上納仕り来り御座そうろう。畑方の儀は取り米一石に付き判銀八匁上納仕り来りに御座そうろう。
           東は川下村木谷組    谷川境
一 村境       北は田窪村       山境
       西は谷住郷村      山境
           南は          郷川境

8枚目(全14枚の内)

て15008.jpg

一 用水之儀者惣田反別七反余御座候ニ付谷間之
  小川ゟ引取申候悪水路無御座候
一 当村ゟ江戸迄道法凡弐百三拾里余御座候
一 当村ゟ大森御陣屋迄道法六里人馬継
  祖式村ニ御座候
一 魚猟場村前郷川ニ而少々宛魚猟仕候
一 御普請所三か所
    内
  字上馬木ノ沖     延長弐百間     壱ヶ所
    川除       高サ壱丈
字中間沖       延長六拾間     壱ヶ所
    川除       高サ九尺
字新屋沖       延長弐百五拾間   壱ヶ所
    川除       高サ壱丈弐尺
〆
一 用水の儀は惣田反別七反余り御座そうろうに付き、谷間の小川より引き取り申しそうろう。悪水路御座無くそうろう。
一 当村より江戸迄道法凡そ二百三十里余り御座そうろう
一 当村より大森の御陣屋まで道法六里人馬継ぎ
  祖式村に御座そうろう
一 魚猟場村前郷川にて少々宛魚猟仕りそうろう
一 御普請所三ヶ所
    内
  字上馬木ノ沖     延長二百間      一ヶ所
    川除       高さ一丈
  字中間沖       延長六十間      一ヶ所
    川除       高さ九尺
  字新屋沖       延長二百五十間    一ヶ所
    川除       高さ一丈二尺
〆

9枚目(全14枚の内)

て15009.jpg

一百姓自普請所三ヶ所
 字坪ノ内
   川除       延長百閒        壱ヶ所
            高サ八尺    
 字流ヶ原
   川除       延長弐百五拾間     壱ヶ所
            高サ壱丈五尺
 字和田沖
   川除       延長六拾間       壱ヶ所
            高サ壱丈
  〆
一川船五艘
  内                    船主
 横渡船   弐艘                沢吉  
                         佐右衛門 
 商物積廻船 三艘     内 弐艘       村平
                壱艘       才兵衛 
  〆
一商屋無御座候
一諸職人拾壱人
 大工直兵衛同勝平同力松同藤重郎同治右衛門木挽常松同十三郎
 同喜代平桶屋元三郎紺屋又兵衛鍛次栄蔵
  〆
一百姓自普請所三ヶ所
 字坪ノ内
   川除       延長百閒        壱ヶ所
            高さ八尺    
 字流ヶ原
   川除       延長弐百五拾間     壱ヶ所
            高さ壱丈五尺
 字和田沖
   川除       延長六拾間       壱ヶ所
            高さ壱丈
  〆
一川船五艘
  内                    船主
 横渡船   弐艘                沢吉  
                         佐右衛門 
 商物積廻船 三艘     内 弐艘       村平
                壱艘       才兵衛 
  〆
一商屋御座無くそうろう
一諸職人拾壱人
 大工直兵衛同勝平同力松同藤重郎同治右衛門木挽常松同十三郎
 同喜代平桶屋元三郎紺屋又兵衛鍛次栄蔵
  〆
    

10枚目(全14枚の内)

て15002.jpg

11枚目(全14枚の内)

て15011.jpg

一 猟師鉄炮壱挺     拝借人  徳右衛門
一 地子免無御座候
一 私領寺社領入会無御座候
   寺社
御年貢地        浜田領中野村長円寺末
一 本尊阿弥陀如来       浄土真宗 法泉寺
    但什物無御座候 
御除地高三斗前
一 本尊薬師如来    京都御室御所御末寺
    但什物無御座候     真言宗  興盛寺
御除地高五斗前
一 蔵王権現      神主三原村ゟ兼帯
    但宝物無御座候          湯浅加賀
一 猟師鉄砲一挺  拝借人   徳右衛門
   寺社
御年貢地          浜田領中野村長円寺末
一 本尊阿弥陀如来       浄土真宗 法泉寺
    但し什物御座無くそうろう 
御除け地高三斗前
一 本尊薬師如来    京都御室御所御末寺
    但し什物御座無くそうろう     真言宗  興盛寺
御除地高五斗前
一 蔵王権現      神主三原村より兼帯
    但し宝物御座無くそうろう          湯浅加賀
    

12枚目(全14枚の内)

て15012.jpg

13枚目(全14枚の内)

て15013.jpg

    

14枚目(全14枚の内)

て15014.jpg



現代語訳

文政十三年 寅 七月
村差出明細書上帳 控
     石州邑智郡 大貫村
古田、新田ともに最後にいつ検地を受けたのかわかりません。検地帳も残っておらず、
当時の名寄帳を用いて年貢が付加され、年貢を納めるというしきたりになっておりました。
この時点では幕府領で、私領や寺社領の土地はございませんでした。
                        石州邑智郡   
                            大貫村
 一 村高二百二十四石五斗弐合
 この反別五十三町九反三畝二十二歩
    内訳
前々から川で欠けたり山崩れで
石や砂が入り田畑として使えない。この前の辰の年に、川で欠けた土地を耕し返して
使い起こそうとしているが、荒地なので年貢の付加の対象にはなっていない。
村内の郷川の川上には川下村があり、川下には谷住郷村がある。
大貫村の川は、幅がおよそ百間(180m)ほどあり、川に沿った道が
一里(約4㎞)くらいある。

 省略

一 御廻米はしておりません。
一 御年貢米で納めているものはすべて置米で上納してきております。畑の方は取り米一石あたり判銀八匁あたりを上納してきております。
省略
一 用水は惣田の面積七反ほどでございますので、谷間の小川から引いております。排水路はありません。
一 当村から江戸までの距離はおよそ二百三十里ほどあります。
一 当村から大森の御陣屋までの距離は六里で、祖式村で荷物を積みかえます。
一 漁猟場は村の前の郷川で少しずつ魚を取っています。
省略

脚註


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