郷蔵普請
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郷蔵(ごうぐら)とは[編集]
近世の村々で、幕府や諸藩が年貢米を上納するまでの間に貯蔵するために設置した蔵をいいます。 庄屋など有力農民の私蔵が転用された場合もありました。近世中期以降になると、 凶作や飢饉に際しての備蓄場所としての役割も果たしました。 郷蔵は鍵を村役人が預かり、穀物の出納にあたっては厳しく管理されました。 明治期になって村の共有財産であった郷蔵は、個人へと払い下げられました。 その後、多くの郷蔵は廃棄、解体されてしまったようで、現在はほとんどが失われています。 桜江町史によると町内にあった郷蔵は八つ。 市山村、今田村、江尾村、後山村、川戸村、田津村、渡村、鹿賀村(不明)に存在していた記録がある。 いずれも、天領ではなかったため「社倉蔵」と呼ばれていましたが、蔵の目的は同じである。
普請(ふしん)とは[編集]
「普く(あまねく)人々に請う(こう)」という意味で 多くの人々に呼び掛けて共同で労働に従事することをいう。 社会基盤を地域住民で作り、維持していくことを指す。
郷蔵普請はじめの第一歩[編集]
始まりは2010年7月。1847年に建てられた地域の蔵を、昔ながらの方法で改修することになりました。 蔵の建築材料はすべて地元の自然素材です。「土、竹、木、わら」。 はじめの第一歩では、1年かけてこれらの材料を集めました。 自然の摂理に沿うことで、それぞれの自然素材はその長所を最大限に発揮してくれます。 これから、時間と手間を惜しまず次の世代に引き継ぐ昔ながらの強固な蔵を作り上げます。 文化庁「H22 年度文化財建造物活用モデル事業」として取り組みました。 事業の様子は以下をご覧ください。 郷蔵普請はじめの第一歩
郷蔵普請から学ぶ「協」と「適」~地域資源を活かす仕組みづくり[編集]
2010年度「郷蔵普請はじめの第一歩」で集めた材料を使っての郷蔵普請がいよいよ始まります。 2013年春完成の予定で、150年前の郷蔵の姿を昔ながらの手法を使って再現させます。 様々な人の協力を仰ぎながらの普請の始まりです。「樹冠ネットワーク」がプロジェクトを進めます!
プロジェクトの概要[編集]
プロジェクト対象地域の島根県江の川流域は過疎高齢化が深刻な地域です。古くは水運と豊か な地域資源を活用して栄え、先人の知恵と技術が随所に残っています。今回活動拠点となる江津 市桜江町には世界遺産石見銀山に関する古文書が一万点以上保管された旧家があり、そこには公 の蔵として年貢米や救荒食を保存した郷蔵(ごうぐら)が普請帳とともに姿をとどめています。 私達は先人の知恵や技術を学ぶ場として、この郷蔵を地元の素材を使って昔通りの方法で改修 します。「普く(あまねく)人々に請う(こう)」普請によると、蔵の改修では子どもからお年 寄まで多くの人の協力が必要です。蔵は、石、土、竹、木、わらの自然素材のみで出来ており、 材料、人共に「協」と「適」がキーワードです。伝統的建築技術の伝承、高齢者の経験知の伝達、 世代や地域を越えた協力などを通じてコミュニティを再構築します。また、自然の摂理に従った 資源活用からは、便利快適を求める現代が忘れてしまった「待つこと」「備えること」を学び、 人々が地域の資源に気づく契機とします。これらの活動を通じて、森林荒廃の解決と里山の環境 保全、地域活性化につながる仕組みづくりを目指します。
郷蔵普請の進捗状況については樹冠 をご覧ください。
スケジュール[編集]
5月 第1回 土練りパートⅠ 6月 第2回 間伐材による足場作り ■歴史講演会「山野利用の今昔」■桜江中学校歴史講座 7月 第3回 部分解体(土壁落とし) 8月 親子体験教室「竹の水鉄砲、間伐材の小物かけ作り」at水の国 9月 第4回 土練りパートⅡ 10月 第5回 石州赤瓦の巻~2回開催(桜江中学校1年生参加) ■森林教室「植林地の間伐体験」(桜江小学校4年生参加) 11月 第6回 竹小舞かき 12月 森林教室「クリスマスツリーづくり」at川本すこやかセンター
2012年1月 2月 3月 第7回 土壁塗り~荒壁 ■森林体験教室「光る泥団子づくり」 4月 5月 郷土料理を囲んで「建前祝い」 6月 ■歴史講演会「水運で栄えた廻船問屋~流域の産物めぐり」 7月 第8回 土壁塗り~裏もどし 8月 親子森林教室「竹の明かり作り」 9月 10月 ■中学校歴史教室「江戸時代のエコな交通~江の川水運について」 11月 第9回 技術説明会(拵え) 12月 森林体験教室「しめ縄作り」、老人ホーム共催
2013年1月 2月 第10回 技術説明会(テラスづくり) 3月 「完成祝い」、森林体験教室「森のごちそう作り」
脚註[編集]
コメント[編集]
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