小谷村の畑林山売渡證文

提供:石見銀山領33ヵ寺巡り
2018年6月27日 (水) 06:26時点におけるSakurae (トーク | 投稿記録)による版 (→‎現代語訳)
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目録番号:ま

担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ


文書画像と釈文、書き下し文

1枚目(全2枚の内)

P1030142.JPG

弐年季売渡申畑方林山之事

所ハ小谷村原ノおくゑのむかい
一畑方弐斗五升前   境目義かみしも貴殿
           さかへ大そねしたハ谷川
           限り此内竹木浮徳毛
           之上有之諸有無残り
一林山
 此山役判銀弐分
  座役  弐分   只今請取申候
  代銀〆弐貫目
右者私共寄合ニ小谷村所持仕候畑方林山
此度相談得心之上貴殿へ売渡し申所紛無
御座候則代銀書面之通り慥ニ請取差支御上
納其外払方等迄相済御公儀表内々迄無障
売渡申候然上ハ当戌年ゟ御公儀御上納方并
地下諸入用等迄貴殿御勤可被成候畑方林山
御才判可被成候尤来亥十二月十五日限り右本銀
弐貫目御返済仕候ハヽ右地所御戻し可被下候
請返ニ仕候とも立木壱はへ分者貴殿御伐り
取可被成候


弐年季売り渡し申す畑方林山の事

所は小谷村原のおくゑのむかい
一畑方弐斗五升前   境目義、かみしも貴殿
           さかへ。大そねしたは谷川
           限り。この内竹木浮徳毛
           の上これ有り、諸ろ有り残り無く。
一林山
 この山役判銀弐分
  座役   弐分   只今請け取り申しそうろう
  代銀〆弐貫目
右は、私共寄り合いに小谷村所持仕りそうろう畑方林山、
この度、相談、得心の上、貴殿へ売り渡し申す所、紛れ
御座無くそうろう。則ち、代銀書面の通りたしかに請け取り、差し支え御上
納その外払い方等まで相済み、御公儀表内々まで障りなく
売り渡し申しそうろう然る上は、当戌年より、御公儀御上納方ならびに、
地下諸入用等迄、貴殿御勤めなさるべくそうろう、畑方林山
御才判なさるべくそうろう、尤も、来る亥十二月十五日限り、右、本銀
弐貫目御返済仕りそうらわば、右、地所お戻しなさるべくそうろう、
請け返しに仕りそうろうとも、立木壱はへは、貴殿お伐り
取り成さるべくそうろう


   

2枚目(全2枚の内)

P1030143.JPG

     

現代語訳

二年間畑と林山を売ること

一畑方弐斗五升前  
境目は、かみしもではあなたが所有する土地が境で、うえしたでは山の上から谷川までが境です。
この内、浮徳、竹木、収穫できるその他のもろもろも残り無く。

一林山
 この山役は判銀二分、座役は二分です。 合計代銀二貫目を 只今受け取りました。 
 
二つの物件は私どもが共同で小谷村に所持している畑と林山です。
私たちが話し合って納得したうえであなたにお売りしたことに間違いはございません。
代銀は書面通り確かに受け取りました。ご公儀幕府にご上納しその外の支払いも済ませました。
そうであるからには、ことし戌年より御公儀御上納方、ならびに
地下村の諸入用などまで、貴殿はお勤めなさって下さい。
畑方林山はどうぞ管理なさってください。但し、来る亥年の十二月十五日までに、
右の本銀(元金)を御返済されたなら、右の地所はお戻しなさってください。
我々が請け返すことになっても、今育っている立木に限っては、貴殿がお伐り取ることができます。

脚註


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