鉄座について大森御役所への口上

提供:石見銀山領33ヵ寺巡り
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目録番号:ま136

担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ


文書画像と釈文,書き下し文

1枚目(全6枚の内)

ま-136(1).JPG

乍憚口上

去ル子年被為鉄座御取立成私共義仕
来り候商売之筋御糺之上問屋并仲買
共株被仰付永久安堵之義難有仕合
奉存候則御仕法之趣以代呂物往来差
滞之儀ハ無御座候得共鉄荷之儀御座ヘ
一手ニ御買上ヶ被置成直段等も差定リ

憚りながら口上

去る子年、鉄座御取立て成させられ,私共義仕り
来り候商売の筋御糺しの上、問屋并びに仲買
共株に仰せ付けられ、永久安堵の義、有難き仕合せに
存じ奉り候則ち御仕法の趣を以って、代物の往来、差し
滞りの儀は御座無く候得ども、鉄荷の儀御座へ
一手に御買上げおきなさり値段等も差し定まり

2枚目(全6枚の内)

ま-136(2).JPG

在之候様ニてハ代呂物之取遣不□之筋
相見ヘ申候惣体諸代呂物売買之様子
ヲ以私共兼々相考候所右之通リ奉存候
御仕法之儀ヲ彼是申上候段奉恐入候得共
取極相馴候儀ニ付何卒此上共御陰ヲ以
取続□手広ニ商売も仕度奉願候儀ニ
御座候右ニ付奉存候得者御座方御仕法
之儀ハ是迄之通り万事御取扱為
成鉄類売買方之儀ハ山元仕切ヲ初メ諸向
売捌方共問屋中買共相対ヲ以売買仕候
様被為仰付候ハ﹅鉄類商売かた手広
(有脱カ)
相成候様尤諸向之差支も無之筋与難
奉存候依之左ニ奉申上候
これ在り候様にては代物の取り遣い□ざるの筋
相見え申し候惣体の諸代呂物の売買の様子
を以て私共兼々相考え候所右の通り存じ奉り候
御仕法の儀を彼是申し上げ候段恐れ入り奉り候得共
取り極め相馴れ候儀に付き何卒此の上共御蔭を以て
取り続き□手広に商売も仕り度願い奉り候儀に
御座候右に付き存じ奉り候得るは御座方御仕法
の儀は是迄の通り万事御取り扱い成り為さり
鉄類売買方の儀は山本仕切りを初め諸向き
売り捌き方共問屋中買共相対を以って売買仕り候
様仰せ付けさせられ候はば鉄類商売かた手広く
相成り候様尤も諸向きの差支えも之無き筋と有り難く
存じ奉り候之に依り左に奉り上げ候

3枚目(全6枚の内)

ま-136(3).JPG

     

4枚目(全6枚の内)

ま-136(4).JPG

5枚目(全6枚の内)

ま-136(5).JPG

6枚目(全6枚の内)

ま-136(6).JPG

現代語訳

憚りながら口上
去る子年に幕府が鉄座をお設けなさった時に、私共の
商売の筋をお調べなさって、問屋と仲買に
株を末長くお認めになったことは
ありがたく思います。

そこで、政策の内容のために商品の往来は
滞ってはいないのですが、鉄を鉄座が
一手にお買い上げになって、値段も定まって
いる状況では商品の取り扱いは不自由(?)なように見えます。

一般的に諸商品の売買の様子に基づいて、私たちが以前から考えているのが右のようなところです。
(幕府による鉄座の)政策について私どもが申しあげるのは恐れ多いことだが慣れてきたので、
なにとぞこれからも幕府のおかげをもってできるだけ広く商売をしたいと思っている次第でございます。


    

脚註


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