「大森御役所より御触書写」の版間の差分

提供:石見銀山領33ヵ寺巡り
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目録番号:ま1-2
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目録番号:の49
  
 
担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ
 
担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ
  
担当:古文書に親しむ会 in 桜江
 
  
担当:古文書に親しむ会 in 松江
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== 文書画像と釈文, 書き下し文==
  
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=== 1枚目(全4枚の内) ===
  
== 文書画像と釈文 ==
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大森御役所より
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   御触書写
  
=== 1枚目(全2枚の内) ===
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=== 2枚目(全4枚の内) ===
  
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 +
一博奕賭之諸勝負ハ前々ゟ第一之御制禁ニ而
 +
                       (たぐいカ類)
 +
  近年別而厳重之御触茂有之右願露顕
 +
之もの共ハ死罪遠嶋等之御仕置被仰附候
 +
儀度々有之候間村方ニ而茂露顕之上ハ一命ニ
 +
抱り候儀と相弁江可有之処村々之内ニ者心得違之
 +
もの茂有之趣相聞候畢竟村役人共等
 +
閑故之儀ニ候間此廻状披見次第小前水呑ニ
  
       借用申銀子事
+
  一、博奕賭けの諸勝負は、前々より第一の御制禁にて、
    丁銀弐拾五貫目也  但 申三月元日十二月切利ノ分壱割半ニシテ
+
  近年別して厳重の御触れもこれ有り、右の類い露顕
  右者二之丸御蔵入米我等共江被 仰付候處
+
  のもの共は、死罪遠嶋などの御仕置き仰せ附けられ候
  才覚不相成貴殿へ御頼申入候得者前書之銀御貸
+
  儀、度々これ有り候間、村方にても露顕の上は、一命に
  被下、慥借用仕、米上納仕候所、実正也、然上者三月より
+
  拘わり候儀と相弁えこれ有るべき処、村々の内には、心得違いの
  十二月迄壱割半之加利にて元利無不足返済可仕候
+
  ものもこれある趣相聞こえ候。畢竟、村役人共等
  万一本人不埒仕候ハバ請人より日限ニ急度埒明可申候
+
  閑故の儀に候間、この廻状披見次第、小前、水呑に
返弁方之儀被入御念候ニ付、此月当神門郡ニ而弐拾
 
四ケ村より別紙證文相渡候通少無相違返弁可仕候
 
ケ様相定候上者仮令如何様之不慮新規
 
御国法出来候共、毛頭相違申間敷候条後日
 
請人并御役所御奥書取之相渡申所
 
            仍如件
 
             雲州神門郡大津借主
 
                  山田 又左衛門  印
 
  宝暦十四申十一月   同所  同断
 
                  森廣 幾太    印 
 
             同郡  知井宮
 
                  山本 仁兵衛   印
 
             同郡  杵築請人
 
                  藤間 久左衛門  印
 
             松江請人
 
                  森脇 甚右衛門  印
 
  
=== 2枚目(全2枚の内) ===
+
=== 3枚目(全4枚の内) ===
  
[[ファイル:2-1-2.JPG|600px]]
+
[[ファイル:-49(4).JPG|600px]]
 +
至迄不洩様庄屋宅へ呼寄聊之利益ニ抱り
 +
一命を捨候ハ有之間敷道理をも得と申聞せ
 +
印形取之可差出候尤小前一組ニ限り改役之者
 +
                  (肩ヵ)
 +
壱人宛相定メ請書名前之負書ニ相記右
 +
之もの一組ニ限リ心ヲ附聊ニ而茂怪敷儀有之候ハヽ
 +
早速村役人へ相しらせ庄屋頭百性百性代
 +
之儀是又申合せ無怠見廻リ怪敷人寄等
 +
いたし候儀有之候ハヽ有無之無差別召捕置き
 +
可訴出候勿論心得違之もの有之候共少分之
 +
                              (便カ)
 +
儀ニ而一命をはたし候儀ハ支配之事ニ附不倶之至ニ
 +
            (ママ)
 +
候得共制禁第一之法渡ヲ破り候事ニ候得ハ聊茂
 +
ゆるかせ之沙汰ニ難及候間村役人ゟ能々申聞せ
 +
                                (ママ)
 +
心得違之者無之様可致候尤御役所ゟ茂隠蜜
 +
        (ママ)
 +
差出候右隠蜜之もの見出候か
  
      石州銀山御領
 
          西田屋喜六 殿
 
          角屋庄十郎 殿
 
前書之通承届御返弁之儀相違無之様
 
急度可申付候御奥書如件
 
             雲州勝手方役
 
                 和田 理八
 
                 岡本 彦助
 
                 田中 幸平
 
                 後藤 久兵衛
 
                 荒井 助市
 
             同奉行
 
                磯崎 丈太夫
 
                湯川 冶兵衛
 
                山本 覚兵衛
 
            西田屋 喜六 殿
 
            角屋  庄十郎殿
 
  
  
== 書き下し文 ==
+
至るまで洩れざる様庄屋宅へ呼び寄せ、聊かの利益に抱わり
 +
一命を捨て候はこれあるまじき道理をも得と申し聞かせ、
 +
印形これを取り差し出すべく候。尤も小前一組に限り改め役の者
 +
壱人ずつ相定め、請書名前の負書に相記し、右
 +
のもの一組に限り心を附け、聊かにても怪しき儀これ有り候はば、
 +
早速村役人へ相しらせ、庄屋、頭百性、百性代
 +
の儀、これまた申し合わせ、怠り無く見廻り、怪しき人寄せ等
 +
いたし候儀これ有り候はば、有無の差別無く召し捕り置き、
 +
訴え出ずべく候。勿論、心得違いのものこれ有り候共少分の
 +
儀にて一命をはたし候儀は、支配の事に附き不憫の至りに
 +
候えども、制禁第一の法度を破り候事に候えば、聊かも
 +
ゆるがせの沙汰に及びがたく候間、村役人よりよくよく申し聞かせ、
 +
心得違いの者これ無きよう致すべく候。尤も、御役所よりも隠密
 +
差し出し候。右隠密の者見い出し候か、
  
借用申す銀子のこと
+
=== 4枚目(全4枚の内) ===
 
 丁銀二拾五貫目なり   但し申三月元日十二月切
 
               利ノ分一割半ニシテ
 
 
右は二の丸お蔵入り米我ら共へ、仰せつけられ候ところ
 
才覚相ならず。貴殿へ御頼み申し入れ候へば、前書の銀御貸し
 
下され、たしかに借用つかまつり、米上納仕り候所、実正なり、しかる上は三月より
 
十二月まで一割半の加利にて元利不足なく返済仕るべく候
 
万一本人不埒仕り候はば、請け人より日限にきっとらち明け申すべく候
 
返弁方の儀ご念を入れられ候につき、この月当神門郡にて二十
 
四ヵ村より別紙証文相渡し候とおり少しも相違なく返弁仕るべく候
 
かようあい定め候上はたとえいかようの不慮新規
 
御国法しゅったい候とも、もうとう相違申すまじく候条後日
 
請け人ならびにお役所御奥書きこれを取り相渡し申すところ
 
よって件のごとし
 
 
前書きのとおり承り届けお返弁の儀 相違これ無きよう
 
きっと申しつくべく候御奥書き件のごとし
 
  
   
+
[[ファイル:の-49(5).JPG|600px]]
== 現代語訳 ==
+
村役人并ニ組合改役之もの等閑故之儀ニ附
 +
本人共同様ニ御仕置申附候間兼而其旨相心得
 +
急度可相守候此廻状村下令請印早々
 +
順達留り村より可相返ス者也
 +
 寛政十一年未
 +
      正月
 +
  大森御役所
 +
      覚
 +
                 政右衞門(印)
 +
                 次兵衛(印)
 +
                 茂助(印)
 +
                 市右衞門(爪印)
 +
                   清七(爪印)
 +
                 十五郎(爪印)
 +
                  (以下略)
  
松江城ニの丸のお蔵入り米を私どもに仰せつけられたけれども
+
村役人并びに組合改め役のもの等閑故の儀に附き、
算段がつきませんので、あなた様へ御頼みいたしましたところ、前書きの銀子をお貸し
+
本人共同様に御仕置き申し附け候間、兼ねてその旨あい心得、
くださることにことになり、たしかに受け取りました。
+
急度相守るべく候。この廻状村下請印せしめ、早々
お借りしたうえは、3月から12月まで1割半の利息で元利ともに不足なく返済いたします。
+
順達、留り村より相返すべきものなり。
万一私ども借主がお返しできなかった時には、請け人が日限迄にきっとお返し致します。
+
 寛政十一年未
間違えなくお返しいたします。返済について御念を入れられたので、宝暦14年11月、神門郡にて
+
      正月
24ヵ村より別紙証文をお渡しした通り、少しも相違無くお返し致します。
+
  大森御役所
このように決めたうえは、いかなる別の新しい法律ができたとしても、間違えなくお返し致します。以上の通り、後日、
+
      覚え
請け人及びお役所の奥書きを取りお渡ししました。
+
                 政右衞門(印)
宝暦14年申4月(明和元年・1764年)<ref>脚註のダミーです。</ref>
+
                 次兵衛(印)
 
+
                 茂助(印)
ニの丸お蔵入り米を才覚できず、丁銀25貫目の借用申し込みをする。
+
                 市右衞門(爪印)
これによって米を上納した
+
                 清七(爪印)
3月~12月まで一割半の利で返済を約束する
+
                 十五郎(爪印)
 
+
                              (以下略)
■借主 雲州神門郡大津の山田又右衛門、森廣幾太
 
 
 
■保証人 雲州郡知伊宮の山本仁兵衛、杵築の藤間久左衛門、松江の森脇甚右衛門
 
 
 
■貸主 西田屋幾六、角屋庄十郎
 
 
 
■松江藩勝手方役人、奉行が連著保証の奥書きをしている
 
 
 
    勝手方役人 和田理八、岡本彦助、田中幸平、後藤九兵衛、荒井助市
 
 
 
    勝手方奉行 磯崎丈太夫、湯川治兵衛、山本覚兵衛
 
  
 +
== 現代語訳 ==
 +
一、博奕賭の勝負事は、以前からお上が一番に禁止しています。
 +
  近年特別厳しく禁じて、通達も出しています。この様な博奕をして、
 +
  露顕した者たちが、死罪・島流しといった処罰を受けるということが
 +
  度々あるので、村方においても露顕すれば命に拘わるという事で
 +
  理解しているはずなのに、村々の中には心得違いの
 +
(村々の中には理解していない)者もいるということを聞いている。
 +
要するに、村役人たちがなおざりにしているために起きたことである。
 +
そのため、この廻状を見たらすぐに、小前、水呑み百姓に至るまでもれのないよう庄屋宅に呼び寄せなさい。
 +
わずかな利益のために自分の命を捨てることはあってはならず、
 +
道理も十分に言い聞かせ、印形を取って(誓約書を)差し出すべきである。
 +
ただし、小前一組に限り改め役の者(ただし、小前一組ごとに取り調べ役の者を)
 +
一人ずつ決め、請書の名前の肩書部分に印をつけ、右
 +
の者は一組内の者に注意して、少しでも怪しい者がいれば、
 +
すぐに村役人へ知らせ、庄屋、頭百姓、百姓代で
 +
申し合わせて、怠り無く見廻り、怪しい者が人を集めたり
 +
していれば、その真偽や善悪に関わらず、召し捕え置き、
 +
訴え出るべきである。
 +
勿論 理解していない者があっても、博奕という些細なことで
 +
命をうしなってしまう事は、政治支配の、立場からしても可哀想なことである。
 +
しかし、お上が一番に禁止している決まりを破ることなので、少しもいい加減な裁断はできない。
 +
したがって、村役人よりよくよく申し聞かせ、理解できない者がないようにしなさい。
 +
その上、お役所からも隠密を出している。この隠密が見つけたり、
 +
 +
または、外部からの報告で明らかになった場合においては、
 +
村役人と組合の取り調べ役の者がなおざりにしたために起きることであるので、本人たちと同様に処罰を与える。
 +
そのため、あらかじめそのことを理解し、間違いなく守るべきである。
 +
この廻状は、村の名の下に請印を押させ、速やかに順にまわしていき、廻状の最後に書かれた留まり村から返却するようにしなさい。
 +
寛政十一年未
 +
      正月
 +
  大森御役所
 +
      覚え
 +
                 政右衞門(印)
 +
                 次兵衛(印)
 +
                 茂助(印)
 +
                 市右衞門(爪印)
 +
                 清七(爪印)
 +
                 十五郎(爪印)
 +
                              (以下略)
  
 
== 脚註 ==
 
== 脚註 ==

2018年6月20日 (水) 12:46時点における最新版

目録番号:の49

担当:島根大学法文学部社会文化学科歴史と考古コース古文書ゼミ


文書画像と釈文, 書き下し文[編集]

1枚目(全4枚の内)[編集]

の-49(1).JPG

大森御役所より
   御触書写

2枚目(全4枚の内)[編集]

の-49(3).JPG

一博奕賭之諸勝負ハ前々ゟ第一之御制禁ニ而
                       (たぐいカ類)
 近年別而厳重之御触茂有之右願露顕
之もの共ハ死罪遠嶋等之御仕置被仰附候
儀度々有之候間村方ニ而茂露顕之上ハ一命ニ
抱り候儀と相弁江可有之処村々之内ニ者心得違之
もの茂有之趣相聞候畢竟村役人共等
閑故之儀ニ候間此廻状披見次第小前水呑ニ
一、博奕賭けの諸勝負は、前々より第一の御制禁にて、
近年別して厳重の御触れもこれ有り、右の類い露顕
のもの共は、死罪遠嶋などの御仕置き仰せ附けられ候
儀、度々これ有り候間、村方にても露顕の上は、一命に
拘わり候儀と相弁えこれ有るべき処、村々の内には、心得違いの
ものもこれある趣相聞こえ候。畢竟、村役人共等
閑故の儀に候間、この廻状披見次第、小前、水呑に

3枚目(全4枚の内)[編集]

の-49(4).JPG

至迄不洩様庄屋宅へ呼寄聊之利益ニ抱り
一命を捨候ハ有之間敷道理をも得と申聞せ
印形取之可差出候尤小前一組ニ限り改役之者
                  (肩ヵ)
壱人宛相定メ請書名前之負書ニ相記右
之もの一組ニ限リ心ヲ附聊ニ而茂怪敷儀有之候ハヽ
早速村役人へ相しらせ庄屋頭百性百性代
之儀是又申合せ無怠見廻リ怪敷人寄等
いたし候儀有之候ハヽ有無之無差別召捕置き
可訴出候勿論心得違之もの有之候共少分之
                              (便カ)
儀ニ而一命をはたし候儀ハ支配之事ニ附不倶之至ニ
            (ママ)
候得共制禁第一之法渡ヲ破り候事ニ候得ハ聊茂
ゆるかせ之沙汰ニ難及候間村役人ゟ能々申聞せ
                               (ママ)
心得違之者無之様可致候尤御役所ゟ茂隠蜜
       (ママ)
差出候右隠蜜之もの見出候か


至るまで洩れざる様庄屋宅へ呼び寄せ、聊かの利益に抱わり
一命を捨て候はこれあるまじき道理をも得と申し聞かせ、
印形これを取り差し出すべく候。尤も小前一組に限り改め役の者
壱人ずつ相定め、請書名前の負書に相記し、右
のもの一組に限り心を附け、聊かにても怪しき儀これ有り候はば、
早速村役人へ相しらせ、庄屋、頭百性、百性代
の儀、これまた申し合わせ、怠り無く見廻り、怪しき人寄せ等
いたし候儀これ有り候はば、有無の差別無く召し捕り置き、
訴え出ずべく候。勿論、心得違いのものこれ有り候共少分の
儀にて一命をはたし候儀は、支配の事に附き不憫の至りに
候えども、制禁第一の法度を破り候事に候えば、聊かも
ゆるがせの沙汰に及びがたく候間、村役人よりよくよく申し聞かせ、
心得違いの者これ無きよう致すべく候。尤も、御役所よりも隠密
差し出し候。右隠密の者見い出し候か、

4枚目(全4枚の内)[編集]

の-49(5).JPG

村役人并ニ組合改役之もの等閑故之儀ニ附
本人共同様ニ御仕置申附候間兼而其旨相心得
急度可相守候此廻状村下令請印早々
順達留り村より可相返ス者也
 寛政十一年未
      正月
  大森御役所
      覚
                 政右衞門(印)
                 次兵衛(印)
                 茂助(印)
                 市右衞門(爪印)
                 清七(爪印)
                 十五郎(爪印)
                  (以下略)
村役人并びに組合改め役のもの等閑故の儀に附き、
本人共同様に御仕置き申し附け候間、兼ねてその旨あい心得、
急度相守るべく候。この廻状村下請印せしめ、早々
順達、留り村より相返すべきものなり。
 寛政十一年未
      正月
  大森御役所
      覚え
                 政右衞門(印)
                 次兵衛(印)
                 茂助(印)
                 市右衞門(爪印)
                 清七(爪印)
                 十五郎(爪印)
                              (以下略)

現代語訳[編集]

一、博奕賭の勝負事は、以前からお上が一番に禁止しています。
  近年特別厳しく禁じて、通達も出しています。この様な博奕をして、
  露顕した者たちが、死罪・島流しといった処罰を受けるということが
  度々あるので、村方においても露顕すれば命に拘わるという事で
  理解しているはずなのに、村々の中には心得違いの
(村々の中には理解していない)者もいるということを聞いている。
要するに、村役人たちがなおざりにしているために起きたことである。
そのため、この廻状を見たらすぐに、小前、水呑み百姓に至るまでもれのないよう庄屋宅に呼び寄せなさい。
わずかな利益のために自分の命を捨てることはあってはならず、
道理も十分に言い聞かせ、印形を取って(誓約書を)差し出すべきである。
ただし、小前一組に限り改め役の者(ただし、小前一組ごとに取り調べ役の者を)
一人ずつ決め、請書の名前の肩書部分に印をつけ、右
の者は一組内の者に注意して、少しでも怪しい者がいれば、
すぐに村役人へ知らせ、庄屋、頭百姓、百姓代で
申し合わせて、怠り無く見廻り、怪しい者が人を集めたり
していれば、その真偽や善悪に関わらず、召し捕え置き、
訴え出るべきである。
勿論 理解していない者があっても、博奕という些細なことで
命をうしなってしまう事は、政治支配の、立場からしても可哀想なことである。
しかし、お上が一番に禁止している決まりを破ることなので、少しもいい加減な裁断はできない。
したがって、村役人よりよくよく申し聞かせ、理解できない者がないようにしなさい。
その上、お役所からも隠密を出している。この隠密が見つけたり、

または、外部からの報告で明らかになった場合においては、
村役人と組合の取り調べ役の者がなおざりにしたために起きることであるので、本人たちと同様に処罰を与える。
そのため、あらかじめそのことを理解し、間違いなく守るべきである。
この廻状は、村の名の下に請印を押させ、速やかに順にまわしていき、廻状の最後に書かれた留まり村から返却するようにしなさい。
寛政十一年未
      正月
  大森御役所
      覚え
                 政右衞門(印)
                 次兵衛(印)
                 茂助(印)
                 市右衞門(爪印)
                 清七(爪印)
                 十五郎(爪印)
                              (以下略)

脚註[編集]


コメント[編集]

<comments hideform="false" /> トーク:大森御役所より御触書写